BL漫画感想ブログ

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寄宿舎の黒猫は夜を知らない/鯛野ニッケ先生

“ユキ 僕はね、僕は 好きな子とこうするのは はじめてなんだよ こんな気持ちになるって知らなかったんだ”

 

また全自分が泣いています😭

絵柄と吸血系からちょっと私の趣味と違うかな?って思ってたんだが2年前?のBLアワードでだいぶ上位だったのを知って鯛野ニッケ先生とな?って思って去年かな読んだ気がする。初ニッケ作品だった気がするぞ👍

初読時いろんなことがありすぎて、理解していたか微妙だけど泣いた記憶ある…感動😭

その世のどこかシリーズの感想でも書いたけど、恋愛を超えた愛情みたいなものを描くのが上手い、運命に愛の力で立ち向かうよね…漫画的でとてもいいのよ

吸血人間のジーンは人からの好意を感じると(星の鱗粉とよばれる✨がでてそれを吸うとね)吸血衝動を抑えられなくなり、噛まれた人間はジーンの牙の持つ催淫効果で体も心もおかしくなっちゃってそういう行為におよびがちでジーンにとって愛って何よ、なのよ。

吸血人間は人間社会に溶け込む訓練をハリーポッターみたいな学園で受けていて、それを知らない人間も混じって寄宿舎込みで学園生活が営まれている。ジーンはそこで出会った、スノードロップことユキハセガワに特別な気持ちを抱くようになるのね。ユキっていうと最近だと草藦由岐くんを思い出すわ(漢字が多分違うわ)それはいいとして。

ユキは、キザで何かと絡んでくるジーンを半ば疎ましく思っているけどなぜ自分に構うのか気になってもいる、ジーンは学園の麗しいスーパースター生徒会長なのね✨

ある日学園で秘匿にしないといけない吸血騒動?が起こり吸血鬼がいるのでは?となる、そんなバカな〜な雰囲気もあるんだが、騒ぎ立てる子が出てくるのね。(この犯人が最後くらいまでわからんのがこの話を面白くしているんだよね)

ユキは吸血鬼?ふん、馬鹿げていると思いつつも、ジーンなんじゃないのか?って気持ちが拭えなくて自分で調べ出すのね。そして吸血鬼なんていないじゃんって答えを出そうとした矢先、外から来た女の子の星の鱗粉を吸ってしまったジーンに噛まれちゃう!ええええ!吸血鬼おったしそれジーンやったんかいな!

そこから話は急展開でさ…ドラマチックね。ユキくん噛まれて催淫効果で体おかしくなっちゃうの、普通ならここでなし崩しでえち展開になるじゃん?BLだから。そうならなかった。それがこの話をただのご都合主義えろBLから一線を画したなあ。この姿勢は最後の最後まで貫き通されていて本当に素晴らしかった。漫画がうまければエロがなくても読ませてくれる。これは勝手な想像だけど、上下巻で長い話で二人のえちを最後まで残しても連載が続いたのってやっぱり鯛野ニッケ先生の実力と気合いのたまものではなかですかい?H描くのもすごく上手いのにそこだけで勝負しない、もっとH全面に出したほうが売れるのかもしれないのにちゃんと自分の世界観を貫いていてすごいですね。体感予報はH描きまくっていたけどちゃんと切ない感情も描いていたのがうけた理由なんだろうなあ。

 

で本編に戻るけどジーンたち吸血人間は吸血しないようにして暮らしているんだが、吸血しなくても暮らせるのんだが、吸血しないとなんと早死にするの…血液は延命剤なんやて、えええ、すごい新鮮な設定だよね!すごいな〜…切ない。

ジーンは相手から好意を持たれるのがトリガーになって(相手から好意の証である星の鱗粉が出てそれを吸っちゃうと)吸血しちゃう(これもうますぎる 設定よね〜)だからね、自分が好きでもない人の好意で血を吸わされてそういう行為に至ってしまうの。ユキはジーンに別に好意を抱かず塩対応、でも思いやりがあって言葉に嘘がない、そういうユキにジーンは深く惹かれるのよね。“この人の好きには嘘がないだろう、この人に愛されたら幸せだろう“って夢見るようになるのよね。でも自分の好きな人に愛されてしまっても星の鱗粉吸ったら化け物になって吸血しちゃうっていう矛盾があってね、切ないのよね…

そう設定やらエピソードやら展開やらが切ないのオンパレードでメインCP以外の話もすんばらしくて息つく暇がないのよ!

ユキはそういうジーンの性質を知ってしまって戸惑うんだけど、バケモノ!近づくな!とはならないのよ…チャラそうで実は誠実で自分のことを愛おしいって顔で見つめる、どこか悲しそうなジーンのこと好きになっちゃってたのよ。他の子(最初に吸血されたんじゃないかって他の子が出てきてこの子が物語全体のトリガーなのよね)を自分より強く噛んでそういう行為をしたのか?って嫉妬しちゃったりしてね、嗚呼、神よ…(BL神)尊いか…

ユキは賢く理性的な子で、いつの間にかジーンを好きになってしまっていてね、そして、他の吸血人類の狂おしい恋も知って「人間は彼らを愛さないことでしか君たちを幸せにできいのか」そんなのおかしいわい!!ってなるのよね、嗚呼、神よ…(BL神)尊いか…

「分からないからいけない、わかろうとしたい」ってなるの。吸血人類の中には噛めばその人の記憶を消せる人もいてね、それで全部忘れさせることもできる、でもそうしたらそれまでの思い出も気持ちも忘れてしまう。そんなのダメだよ…悲しいよ😭

吸血人類も過去の迫害の歴史を踏まえてとにかく人間から自分たちを隠すことに注力していて、寿命が短いことは受け入れて、ただ短い人生を生きるだけだったのね。

 

最終的にユキが自分の思いを伝えた時ジーンはユキから出された星の鱗粉吸って血を吸ってしまうのね…またね、ユキはそれでいいって思ってるけどジーンは許せない、だからユキが身体を昂らせて触ってと言っても手を出さないのよ!ここまできて我慢するのすごないか?どうしてだよ、ジーン!?ってなるんだがね、これがクライマックスの号泣シーンへの布石なのよね…

ジーンはユキが自分のことを受け入れてくれて長く生きてほしいっ、愛してしまってごめんなさいって言われたことをきっかけにこれを変えていく決心をするのよね。好きな人を悲しませるしかない人生なんか嫌だってね。その覚悟を胸に最後二人が身体も結ばれるシーンが本当に素晴らしくて、嗚呼、愛の行為だ、って思ったよ…攻めのジーンが号泣するのね、で、読者も号泣よ…

ユキがジーンに言った“愛の言葉”も素晴らしくてね。ジーンが好きな人と結ばれた時の気持ちのモノローグも素晴らしくてね😭この瞬間を見たくて漫画を読んでんだよ?これが正解だよ?って思ったよ、漫画らしくて、ドラマチックでね、胸が締め付けられるの!

“好きな人と一緒にいたい、苦しみを分けてほしい、助けさせてほしい“女性的な愛の形だよね、素敵ね✨泣けるわ、嗚呼、泣ける…コテコテがいいの、泣かせてほしいの。せっかくお金と時間かけているのよ、こういうエモエモドラマチックシーンで号泣させてほしいの!

私はフィクションフィクション!ドフィクション!止めてドラマチック!!!いや止めてないで〜展開の物語が好きなんやな〜って改めて思いましたね😌

なんかよく分からん感想だけど…鯛野先生、ぜひフィクション読ませてください!現代物もうまいけどフィクションお願いよ〜!

この漫画かなり少女趣味な世界観だし、先生の絵って少女漫画系ど真ん中と思うんだけど大人の鑑賞にも耐えるんだよね(いつも偉そうで本当に申し訳ございません。。)ジーンのミステリアス感と突出したドラマチック感、世界観を丁寧に作り上げているからかな?照れずに自分のドラマチックを出しまくってくれてありがたい。で、切ねえ…描くのがうめえ。気持ちが溢れ出る〜を描くのがうめえ。

ありがとう、ありがとう、鯛野ニッケ先生ありがとう。