BL漫画感想ブログ

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遠い岸辺/英田サキ先生/ZAKK 先生

 
「気分次第だ。抱きたい時は抱くし、抱かれたい時は抱かれる」
 
日夏晄介さん あなたを待っていた… やっと会えたね
 
デッドロックシリーズにハマって英田サキ先生の他の作品も読みたいなあと物色していたらZAKK先生のイラストが目に入り…これは…と思い読んでみたら…最高傑作だった!
ニヤニヤと興奮と感動が止まらない!
私の好きなことしか起こらず、予想外のことも起こり…面白かった〜やめられず一気に読んだ!なんて上質なエンターテインメント…
 
男にも抱かれ、男を抱き、愛人は女、妻子もいた(マジカ!最高)どっちもいける、女もいける、そういう男が一番素敵と思っているわけで、日夏さん…貴方ですよ、年齢不詳、巨額の金を動かし、全てを受け入れているようで何も受け入れていない、深い傷を負った美しい男
 
射場はまあ、この日夏さんに対峙する男ですからね…まあまっすぐな男だった、元刑事で落ちぶれているけど…ハートの熱さとまっすぐさ よかったね いわゆるワンコ攻めかな?屈折しているのに最後に屈折していない。日夏さんに圧倒的カリスマ性があるからこれに霞まない男を描くのすごいなって思った。
 
2人とも「ゲイじゃない」ってのがミソで、BLで「ゲイじゃない でも 男に惹かれる」ってなると、BLマジックよね😉って思うんだけど(いいのよ、マジックを浴びるためにお金払ってんだから)でもね、マジックじゃない本物がそりゃあみたいわけよ!
 
本作はリサというSMの女王様(職業)が日夏さんの愛人な訳ね、もちろん肉体関係あり。そのリサを挟んで(挟まない時もあったが、精神的には挟んでたな)リサに突っ込みながら日夏さんに欲情する射場をみてめちゃくちゃ興奮した、これやろがい!BLで魅力的な女性を描くってのを見事にやってのけている。女が介在するからこそなぜ男に惹かれるのか?の輪郭が浮かび上がるというか?
日夏さんも射場も、男が好きじゃないんだけど、「惚れちゃう」のよね…でも、急に「愛してる…」「好きだ…」って感じじゃあないのがたまらんのだよ、葛藤の具合が良かった、めっちゃノンケの射場の葛藤もいいし、もう全てがのらりくらりで行くしかなくなんで好き好んで男に尻出さなきゃいけんの?って始終冷静な日夏さん…もうめんどくさいってことでするってのも良かった。その2人がそれぞれの岸辺になるまでが描かれているの。
 
裏社会者だし、死人も出るし、愛と裏切り!的で演歌調になりそうなのに…ならないのさ、スタイリッシュだった。なんでこんな魅力的なキャラクターが描けるのか?天才
 
2人が気持ちを伝えるのもさ、直接な表現じゃないのが好き。上手い〜〜!けど射場には熱く語らせえる。斜に構えてなくてちゃんと熱っぽいBL的な匂いもしてね、そこの塩梅が見事なの!
 
「嫌だと思った。隠さないで見せてくれ。」ここ良かったなあ。日夏さん射場に心が傾くんだけど、始終かっこいいんだよ、射場よりかっこいい。2人のポジションは射場が攻め、日夏さんが宇けではあるんだが、日夏さんの方が断然にいい男でさ、金もあるし(すげえ大事)、頭もいいし、余裕がある。そういう男が男に気持ちを許すって熱いわ、冷たいのに熱いのさ。そして決して単なるケツで抱いている、って安易な言葉でも片付けられない。
 
DLシリーズもそうだったけど、ユウトはディックよりかっこいいのよ。いやディックはめちゃかっこいいよ、でも、あの状況下でディックを諦めずに愛し続けたあの強さは大したもんだった。(ディックなんてユウトに会いに行けずに犬に…犬に…!詳細は本編でお楽しみください)ただ、BLのウケ的魅力もあってすごいキャラだって思ったんだけど、日夏さんはまた全然違うけど通じるものがあったな。かっこいいんだよ。
 
そして、ZAKK先生のイラストがまあ、かっこいい。この作品の世界観にあっていてさ…日夏さんの描き方がしっくりいきすぎた…ZAKK先生の絵めちゃんこ好き、かっこいい!
 
ジャンル的にはBLが読みたいんだけど、脳みそが女な男が男に抱かれてもね…それじゃあないんだよ、ってなる。魂が触れ合って愛しあわざるを得ない、相手は男なのに自分でもわからない劣情に翻弄される!そういう男たちの物語が読みたいの!まさにそれだった…読みなおそ!
もう一ついうと番外編で完全にリバってくれたら…って思うけど射場のキャラでそれはないんだろうね(あ、でもね…)あとは本作をお読みください。

 

遠い岸辺【イラスト付】【電子限定SS付】 (SHY NOVELS)