BL漫画感想ブログ

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親愛なるジーンへ/吾妻香夜 先生

なんで最近こんな号泣案件ばかり読むのか…封印を解いて号泣案件ばかり読むのか…😢

それはね、こたえてマイ・ドリフター読後 なんか考えるところがあったからなんだと思いますよ…はい 自分のBL史(短か)棚卸ししてんのよね😌

すっげえ真面目に書くぞ

(ミーは最近すっげえ真面目ザンスよ!いやミーはオールウェイズ真面目ザンス!シェ

 

“親愛なるジーンへ

あの頃の私に今私にあるすべてをもたらしてくれた

あなたは私の神様 永遠に愛するひと“

 

この作品に関しては言いたいことは山ほどある🗻その一部を述べたいのである。

いつかBL漫画を読まなくなる時が来るかもしれないけどこの作品のことはずっと忘れないと思う

かつて青年で、もがきながら大人になった全ての人に捧げられた宝物のような作品だと思っている✨

全然違うとは思うけどさ、これ特に地方出身者にはささるよ…ささったな…どっかで罪悪感を抱いてるからさ 私のせいじゃないけどさ どこにどう生まれるかは選べないしさ でもなんかずっと悪いことしているような気分で生きているところあるさね…

 

冒頭の言葉はトレヴァーのもので、トレヴァーにとってもジーンは神様だったんだろうけどやはりこの物語はジーンに感情移入して読んだ

 

ジーンはアーミッシュでラムスプリンガの後故郷での生活を続けるか、故郷を捨てるか自ら選択を迫られる ジーンは何者かになりたくて故郷を捨てるんだよね そしてそれをずっと後悔している NYでギリギリの生活をしているところを弁護士のトレヴァーに助けられて 二人は友情を育みやがて恋に落ちるの

でも本作は恋愛の話では片づけられないどころじゃないんだよね

 

ジーンが故郷を捨てるときに父親がいうのね

「その瞳でこの世界を見ておいで そうして愛を身につけたら いつか己も赦してあげなさい」

故郷を捨てるジーンが罪悪感に苛まれている、これからも苛まれるの分かっていた、でも自分の手から手放したんだよね、ここグッときたな。親の愛だよね…お前は外では生きていけないぞ、なんて言わなかった、側にいて欲しいって言わなかったね、とうちゃん。

 

ジーンはね、故郷を捨てた頃の自分のことずっと責めるのね、何者になりたくてでも何者にもなれない そして本当は故郷に帰りたい自分をね、自分は愚かだった!ってね、そこでねトレヴァーがいうのよ

「ージーン・ウォーカー きみは ただ、かつて一人の若者だった そこに罰や罪などあるものか 全て許すよ 何せ私はきみに救われたきみの神様なのだから」って。

こんな言葉ある?

号泣ポイント多すぎて大変なんだけどさ、もうここは涙無しでは読めない。てかずっと泣いちゃうこの作品。

 

ジーンは結局ね、NYでのトレヴァーとの生活を捨てて、より広い世界に飛び立つのよ カナダに留学するのその後もずっとNYには帰ってこない。留学の準備をしている最中トレヴァーの涙をみてね(教会のあのシーン、あんな綺麗な涙あるか?)一度は行かないっていうんだけど トレヴァーは結局ジーンをちょっと強引に送り出すの。

 

「キミにはもっと世界を見てほしい 色々な場所へ行って様々な人と出会ってほしい」

「少年時代のきみがなりたかったという何者かになってみてほしい そうして今度は 自分を赦してみてほしい 次は私じゃなくて…きみがきみ自身をね」

 

二人は恋人なんだけどこのトレヴァーがジーンに注ぐ愛情は恋人、兄、父親、そして神様のそれだと思う

誰かを愛するってずっと一緒にいてセックスすることじゃないわな

トレヴァーは本当はずっと一緒にNYでジーンと一緒にいたかったと思う、自分でもそう言ってた、でもトレヴァー自身が何者かになること、それを目標に広い世界で生きることの大事さを身をもって知っていたからこそ、ずっと欲しかったものをジーンが与えてくれたからこそ、愛を持っって手放したんだんだと思う。愛だな

 

離れ離れになった二人はその後全く連絡を取らないんだよね、それも二人の決断だよな、ってすごい納得いったよ。だからこそのあの再会シーンの重みと美しさと尊さよ…

本当に「尊い」って言葉はこの作品のためにあると思う!

 

これを他の分野の物語で語られたら、あ〜うるせ〜説教すな…みたいな気分になったと思うんよね…でも読後の印象はあくまで二人のロマンスだったんだよ!それがすごい。こんな設定でこのストーリー展開で、でも読後ロマンスだったって思わせてくれた、だから全ての話が入ってきた、圧倒的に全てが美しかった✨

 

50年前のNYなんてもちろん知らないんだけど キラキラしていてね✨

ジーンも綺麗でトレヴァーも綺麗だった ペンシルバニアも綺麗でね✨

このノスタルジックな美しさを見事に描き切る吾妻先生の画力…まじかよ?

てかなんなのかね、この画力 特にトレヴァーの気持ちとかね、絵だけで全部描いているよ

 

二人の再会シーンもさ…いや泣いたけどさ、もちろんーこの15年強経った二人の空気感、ジーンが成長したあの姿 よくあんなの描けるよな…セントラルステーションにいる気分だった。

いつも思うけどすごい画力のある先生ってストーリーもマジかって感じですごいじゃん

すごいよ…あれ何なのかな?

でね、この重厚ストーリーなのにシリアス一辺倒にならないのもすごい…マジすごい。読者を置いてきぼりにしない!

こんな話を書いてしまったら今後どうするのかね?いや、またすごいの描いてくるんだろうな…

 

「…ねえ トレヴァー…僕が…どんなにあなたを愛しているか どうすれば全部上手に伝えられるんだろう…」

「…思い知った 充分思い知ったよ ありがとう ジーン 大丈夫  もうそれだけで私は生きて行ける」

 

ジーンは自分が成長することでどんなに愛していたか、愛されていたか伝えたよね…

ほんと先生ありがとう、って気持ちになる作品です。

トレヴァーがジーンに注いだ愛とそれが繋ぐ愛の連鎖忘れんぜよ…