BL漫画感想ブログ

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踊る阿呆と腐れ外道/あかねソラ 先生

 

「子供をつくろう」

 

2CPの話で1CP目は主従ものでしたね、ここはまあよくあると言えばある感じ…すっごいドラマチックだったけど、殴るわ縛るはピストル出てくるわ…激しい。

義理父の寝子として体を差し出している伊月様(拾ってもらって抱かれているんだねえ)と伊月様に想いを寄せる使用人の芳野…芳野は自分だけは伊月様の体を汚したくないって自分を抑制し続けているけれど、結局二人は両思いで…二人の情事が旦那様(伊月様の義理父)にばれ逆鱗にふれ…なんやかんやで旦那様に楯突いて死のうとしたりなんやかんやで駆け落ちしようとなったり…結局旦那様は捨てられる…旦那様もうええわ…どこでもいねってなるのね。

芳野の激情と伊月様の留めて置けない吉野への恋慕、嗚呼!

 

ただこの二人のことは単なる前座でしかなかった…メインはこの伊月様の義理父の環と幼馴染の結城の話だったねえ。お互い好き好きで仕方ないが、言葉にはしなかった。

結城は子爵の息子だから絶対跡取りがいる。それを受け入れて結婚するのね。でも結婚式の日、ずっとすきだった環も自分のことを好きだって知るけど、もう遅い。嗚呼、悲恋。

で、結城は奥さんとの間に子をなそうとするの、なかなかできずに15年。やっと子供ができた。それを隠居した(環は報われない自分の思いをどうしていいかわからず伊月を身代わりみたいにしていたのね…この時環は攻め、結局伊月にも捨てられてもう疲れたって軽井沢に移り住む)環のいる軽井沢に結城は直接伝えにくるの、子供ができたってね。残酷。

子供の写真を見た環は子供に宿る結城の面影に今までの蟠りみたいなのが解けてさ

“大好きだったけど、ああこうやってお前の名残がこれからも残っていくと思ったらその尊さに自分の思いなんてどうでもよくなった“って号泣後笑顔でいうのさ。なるほど…子は尊し…で、ここで終わりかと思いきや、このさきだよ!!

 

結城が「子供をつくろう」って言うの。「つくる」って答えて二人は初めて情を交わすの、もちろん子供はできませんよ…その尊きものを二人で作ろうってなったのよね、もちろんできないけど。

本当は二人の子が出来たら一番良かったって思っている結城の愛の告白だよね。

彼は自分の役目(跡取りを作る)をちゃんと果たしてから一番好きな人の元に会いにきたんだよ。立派だと思う。二人のことは誰にも言えない、ずっとこれからも二人だけのこと。子供もできない。でもそれでいいのよ。

 

「僕は君に 何もしてあげられないけど けど 本当に…君だけなんだ」

 

結城のこの言葉泣くわ。気持ち伝わってきたわ。

その後も環はただ結城のことを思いながら軽井沢で過ごす。たまに結城が訪ねてくるのだけを待ちながらね。

 

完璧には結ばれない二人だけど確かにそこに二人の世界があるというか、こういう愛の形があってもいいじゃんというか、誰が二人を咎めることができる?これくらい許してあげなよ。っていうかね。ハピエンだと思う。こういう二人の小さい世界だけでハピエンみたいの好き。そんな世間的に大々的にハピエンにならなくて全然いいよ。

 

今まで読んだことない話って感じがした。モノローグが多くて作者の先生の思い入れがすごい強い作品ではあると思うけどついていけたな。表紙の感じやタイトルの癖の強さ?からしても自分からは手に取らなかっただろう作品だったけどFFさんが感想聞きたいって言ってくれて読んでみたんだが、よかったな〜進めてくれてありがとう✨

 

上下巻です!