絶対泣くからなかなか読み直せなくて封印していたけど この数日ああ…読みたいなって気分になり…
やっぱり涙が止まらん 号泣してしまう
“彼は私に何度も好きだと言った 私は一度も返さなかった”
返せなかったんだよね
これもうあらすじとか語らないんだけどね、上巻の4話で物語が一度終わるのよ
映画とかで敵同士が向かい合ってどっちかが撃てば終わりって場面でも二人は話したりしてしばらく話をする場面とかあるじゃん?冷静になれば早く撃てよ、でしょ?
本作にはね、この“ため“が全くないの、ある時プッツリ途切れるの
なんの容赦もなく
柴田さんはイキガミ春人のドナー、春人は敵との戦いで腕を失うの 帰ったら柴田さんの腕をもらうことになる 春人は敵国のイキガミを道連れに死ぬことを選ぶ
死ぬ前にドローン(カメラ)に向かって微笑むの、そう柴田さんに向かってね
愛し合うことでここまでお互いを容赦なく追い込む話があるかよ
自分が怪我をしたら愛する人が同じように傷つく 左目を失った春人はすでに柴田さんの左目を移植されている
春人普通のいい子で普通にドナーの柴田さんを好きになってしまって
柴田さんを守ると思えば怖く辛い任務にも立ち向かえたのに結局好きな人を傷つける未来しかなくて耐えられない
「柴田さん 好きです 好きです」
柴田さんはそんな春人を好きになるんだけど 春人を操ってイキガミとして戦わせるって政府と約束した後ろめたさがあって春人に「好きだ」って生前一度も返せなかった
春人には伝わっていたと思うけど
腕だけになった春人に向かって初めて好きだっていうの
イキガミはウイルス感染による特異体質って突き止めた(だから治癒可能、イキガミはやめられるのね)柴田さんはそれを黙って春人を戦わせていた政府が許せなくてその秘密をリークするんだけど 自分への怒りは収まらなくてね
自分を好きになってくれたイキガミの滝くんや周りの人の思いに支えながら柴田さんは前に進むっていう救いが下巻にかけて描かれるけど 最初読んだ時 この救いが全く救いに見えなかった 春人と幸せになって欲しかったとしか思えなくてね
今回読み直したら少しだけ柴田さんは滝くん(とその周りの人に)救われたかな、って思えた てか柴田さんはあのまま死ぬつもりだったんだろうな けど滝くんが救ったんだろうな ってやっと思えた 滝くんに「助けて…」っていえたしね 救われたくて10年苦しんできたんだよね 滝くんが柴田さんが隣にいてくれたら幸せって言ってさ 自分は誰も幸せにできないって思ってたのに 響いたんだろうね
最後エピローグ 送り火 を読んだ時 私最初意味がわからなかったの
死んだ春人がね、滝くんが炊く 迎え火(お盆的な感じかな)に迎えられて柴田さんと滝くんの元にひょっこり現れるの
幽霊の春人くん 数日柴田さんと滝くんと一緒に過ごす
そして春人くんは送り火に乗って戻っていくの
柴田さんはその間のことは覚えていない 滝くんは覚えている
これがよくわからなくて 今もわかっているかわからないけど これを見てもなんで春人は柴田さんと一緒にいられなかったの?この話なんの意味があるの?くらいに思ってたかも
でもこの一言のためだったのかな…春人のためのエピローグなんかな
これ言われてもどうしよもないし泣くしかないんだけどね、結局 こんな辛い話あるかよ
「ああ ずっと 俺もずっと あなたと一緒にいたいな…」
これをね、読むとね 泣けて泣けてしょうがないの 柴田さんには救いがあったかもしれない でも春人はもう二度と柴田さんと一緒にいられないんだよ?なんでだよ
ほんとこんな救いのない話ってあるかよ
春人はもう二度と二人の元には来ないと思うな
自分がこんなに号泣するなんて信じられない
この物語は何度読んでもなかずにはいられない
この物語のメッセージが何かとかよくわからない でも 素晴らしい作品だって感じる
柴田さんの物語なんだろうけど 私には春人の物語以外の何ものでもない