新刊、大いにネタバレ
1の感想と大いに被ると思われます。
「傷つくのはこわい」
なんでなんだ、なんで吉田さんなんだ、日高の欲しいものを差し出すのがこの芋にいちゃんなんだ…この芋兄ちゃんとの将来を考えている日高がなんだか不憫というかな…でも世界は日高には優しくないんだよね、芋兄ちゃんでも「さわってみたい」って言われたら響くだろうね…美醜って大事だけど結局何もくれない遠くの星より近くで手を差し伸べてくれる優しい芋の方がそりゃいいさね。
この、BL漫画でいういわゆる「当て馬」がこれほど芋だったことがあるか？さすが秀良子先生、さすがon BLUE. 素晴らしい。
日高は吉田さんに会いにまた島まで行くんだよね（吉田のばあちゃんの見舞いな、だが吉田さんはこっちで一緒に暮らさないか的に日高を試している側面あるよね）日高も現実的なお付き合いを考えてね、でも、現実にぶち当たるんだよね。いくら吉田さんがコウのことちゃんと恋愛対象だと思っていても（本当かな？と思うところはあるが）現実はうまくいかない、ばあちゃんひ孫の顔見れるまでは死ねないとかいうし（まあそうやわな）この狭い島で二人が付き合いながら一緒に暮らすなんて無理だよ。って。
で、もう会わないって吉田さんに連絡した日高は帰りの飛行機を待つんだな✈️
そこに何故かコウがいる。そう中山コウがいる。え？は？
コウは大きな仕事（イベント）任されてそれに日高を誘うんだが、島にいるので行けないって連絡が来るんだよね。
だから会いに行ったんだよね、自分から。
2巻は吉田さんと日高が近づくのをマジか？って気持ちで見ているのに加えて、この「コウの苦悩」みたいのが描かれていたよね。女の子の扱いは超一流でどのタイミング何をいえばいいか全部わかっているんだけどそのそこには何もないんだよね、コウって。かわいい子がいる、くどく、セックスする。ヤリチンだけどその時々で女性に失礼なことはしない、みたいな人ね。このコウに「それ以外の関係がある、男女間でも」って教えたのが上司の女性なんだよね。同じタクシーに乗ってそんな流れだと思って条件反射的にキスするんだけど、上司の女性がね。
“このままホテルに行くのもありだけど そうしたらそこからは私は私情であなたをえこひいきした人間 中山くんはそうやって仕事を融通してもらった人間になるけどそれでいいの？”的なことをいうのね、そこでコウはやめとくってなる。この人に失望されたくない、でも、これは決して情欲以外のものだって初めての感情を抱くんだよ。
その感情とこれまでの日高がいなくてぽっかり空いたままの穴を見つめて、吉田さんに牽制されたり、吉田さんとこのまま？的な色々を考えてたら、島までいっちゃたんだよね。そこで、コウがあの伝説の「ごめん」から初めて自分の感情を言うんだけど、なんかコウも必死に日高の手を掴もうとしてたんだんだな、うまくいかなかったけどって思っちゃった。2巻で述べられるコウの気持ちは正直はっきりとは分からないんだけど、微かな希望があったのは確かかな？
たださ、日高はコウを恋愛的な意味で好きで抱き合いたいわけでしょ、でもコウはどんなに日高のことちゃんと「好き」でも恋愛ではないと思うんだよ。この間に二人が幸せになれる着地点があるのかな？ってやはり思う。ここをどう描いて来るかだな、秀良子先生ならすごいもの見せてくれるって信じてる！
普通親友から恋人にはなれないと思うよ。気心知れて一緒にいて楽で何も言わなくても一緒に過ごせて、こういう親友はある意味恋人や配偶者より得難いものだろうけど、そこに恋愛を入れたらね…BL漫画的な展開にはまあならんわな、ほぼ。
だから4巻でコウが自分なりにかけてみたけどごめんってなった時、そうよな、って思ったんだよね。これが見たかったんだよねって。報われなくて二人とも傷ついただろうが、こうしかないよって。
だからね、このそれからで何が描かれるのか、結局私的には謎なんだよね。描かなくてもよかったっていまだに思ってるw
恋が成就しなかったから＝バッドエンドとは思わないし、もっとくっつかない二人の物語が見たいのよ。なんでみんな簡単にくっつくの？面白くないよ、正直。（BL漫画に喧嘩売っとるんかい😅
商業BLだと売れなきゃいけないから私が編集者でもう〜ん、ってなるかも知れないけど、特に技量のある先生方にはどんどんくっつかない二人の物語を描いてほしい！
相当技量がいるだろうけどね。ただ、ああ悲しい、で終わると、金返せ的になると思うから。まあ言ってみれば「寄越す犬、めくる夜」みたいなのが読みたいのかな？須藤さんのあの最後の笑顔思い出すだけで泣くよ。あれは単に須藤さんが選ばれなかったわけじゃないけどさ、ああいう一緒にはいないけど二人が出会ったことに何かの意味があった的な感じってのかな？日高とコウもそうでしょ？日高は傷つきに傷ついたけど、じゃああれを知らずに100年生きるよりよかったはずだよ。
ってな感じですね。はい。3巻を楽しみに生きます👍
