久しぶりにふと思い立って読み直したんだけど素晴らしかった…もう多くを語る必要がないんだよな、Twitterの感想で言いたいことは言った感はあり重複冗長になると思うけどとりあえず記すぜ👍
シリーズもの第2CP、全4巻、長い。読むのに時間も集中力もいる。CP二人の恋愛話だけじゃなくて二人の過去、家族の話が多いに絡む話なの。好き！→セク！→ハッピー！ とは一線を画すストーリーなの。正直私はBL漫画にそこまでの重さを求めているタイプではないんだけど、本当に読む価値があるというか、ゲイでも家族との間に大きな確執があるわけでなくても、人間としての葛藤と苦悩に共感できる、そういう話と展開とキャラクターを描いていると思う。「血肉」を感じる「人間」の話なんだよね。
創作物で重いテーマを扱っていると、“娯楽を提供しろ、苦悩は現実生活で十分だよ⭐️“ってなることが多いんだけど、決して重く重く描いているわけではなく、でもそこには確かに一人の人間が人生を生きている感があって何故か感情移入できる。で、泣く…そりゃあ漫画だしBLだしキラキラ要素はあるし上手く行きすぎかもしれないけど（そこがないと読まないよ）、誰もが自分の理想とは違う人生展開に苦悩してでもその先になんらかの光を見出すじゃん？（多分( ・∇・) BL漫画を超えてそんな話って感じがする。それをBLフレーバーで美しくドラマチックに描いている感じというか…ある意味BL感薄いのかな。同性同士だからというよりそれぞれ違う人格を持った二人がお互いの存在を糧に自分の中の葛藤を乗り越える話、それが見事に描かれている、って感じてる気がする。
プロのBL漫画家が精魂込めて描いてくれた大人に対するプレゼント、胸にしまっておきた宝物のような物語やね💎✨
あらすじ的な
匡人（30）は過去の恋愛をうまく消化できずにいて、もう傷つきたくないということで遊んでいる（好きな男以外にイレラレタクナイってことでタチなんだよね）
旭（38）はノンケの建築士、正しくおっさん（だがもちイケメン）で正しくだらけていて、正しくおじさん的に丸く、そして男性的な繊細さを併せ持っているのんだよ、この人は父親が怪我で大工の仕事ができなくなったことがきっかけで家族崩壊、人一倍暖かい家族にこだわっているのだが、子供を作ることができないことが原因で自分も離婚、仕事はするが虚な日々を数年過ごしている。
二人は共通の友人のナルさんの家に間借りすることをきっかけに出会う、先に旭が住んでて匡人が新しい家を見つけるまでテンポラリーに間借り的な。だらしない旭、几帳面な匡人、険悪だった二人だが晩酌するようになって利害関係のない気の置けない友達みたいに最初なるんだよね…そこからお互いかけがえのない相手になるまでの物語。
匡人は大好きだった過去の恋人（ノンケ遊び人、こいつ死罪だね）への「好き」の気持ちをその相手から否定された経験から自分の好きをどう処理していいかわからない…でも旭と話すようになって自分の気持ちを受け止めることができて泣けるんだよね。これをきっかけに匡人は本当の自分の気持ちと向き合う勇気が持てて前に進めるの。この人世話焼き女房感があって好きな人に尽くすの大好き、でも自分の主張もちゃんとする、美人で可愛くて目が離せない、あ、仕事ももちろんバリバリ（要祐と同じ会社）。愛しいな、一緒に生活したいって思える人。どんどん可愛くなる。
旭…やはりこの物語の主軸はこの人の葛藤なんだよね、「自分には欠陥がある…父親と同じ、誰も幸せにできない」「匡人に救われた自分がいるんだが、匡人に守ってもらっているだけで、欠陥のある自分を意識しなくていいように都合のいい匡人と一緒にいるんじゃないか」ってずっと悩むんだよね…ここをどうしても乗り越えられない自分がいて、これは他の人が「そんなことないよ」って言ってもどうにもならん、旭の問題だから自分で乗り越えるしかないんだわな。匡人も何かに悩んでいるのは分かるんだが踏み込めない領域なのさ。この葛藤に匡人は静かに寄り添うんだよね。
その苦悩を吐露した旭に匡人は“今考えていることが人として正しいとは言えないかもしれないけど“で自分の素直な気持ちを言うんだよね。泣くね…
旭に関してはあ〜ウジウジすんなって1ミリも思わなかった（漫画のキャラが苦悩するとあ“〜ってなる時あるのね…正直）
本当にお似合いの出会うべくして出会った二人、側から見ていてもしっくりいくの。それは一人の脳みそから生まれた二つのキャラクターだから、じゃないんだよね、ちゃんと自分の人生を生きてきた二人の男性だからって感じ。あと性格とか生活能力的なものの噛み合いももちろん体の相性がいいのもあるけど、魂が一緒にいたい、って共鳴している二人って感じする‼️
まあ感想をちょっと書くって感じの話ではないのでみんな噛み締めて読んでおくれよ、って感じ😅最後それかい！
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